FF85K用バックロードホーンのサブウーファーの検討 その6


1.「SS−2」,「SS−2 MK2」のウーファー部解析

 DRWの設計計算のExcelシートに図面より求めた内
容積、ダクト寸法の数値を代入して計算しました。

今回は、詳細な記事が無かったので、第1,2、ダクト
共振周波数「fd1,fd2」を求める式を追加して計算をし
ました。

結果が下記写真になります。

SS-2ウーファー部(DRW)の解析

「SS−2」ウーファー部の図面より読み取り計算した値は、

第1キャビの内容積 :Vc1=5.75[L]
第1ダクト断面積  :Sd1=36.0[cm^2]
第1ダクト長    :d1L= 5.5[cm]

第2キャビの内容積 :Vc2=18.7[L]
第2ダクト断面積  :Sd2=33.0[cm^2]
第2ダクト長    :d2L=12.0[cm]

以上より、求めた共振周波数等は、

第1ダクト共振周波数:fd1=153.58[Hz]
第2ダクト共振周波数:fd2= 47.47[Hz]

第3キャビの内容積 :Vc3= 4.75[L]
第3キャビでのf0  :f0c= 68.14[Hz]

DRW−3」のエンクロージャー設計の記事に合わせて
解析すると、

(1) 第3キャビはメーカー推奨の密閉箱の1.5〜3倍

  ウーファーユニット「FW100」の推奨密閉箱の
  内容積は確認できなかったので、アップした計算表の

   Qc0=0.7のとき Vc=11.62[L]

  となっているのでそれで割ると

  4.75/1.62=2.932・・・<- 2.9倍

  でキャビネットが小さいので、3倍に近く目いっぱ
  いに容積を取っているようです。
 
(2) 第1・第2キャビの設計でダクトの断面積を先に決
  める。 ウーファーの実行振動面積の50〜70%
  ぐらい。

  第1ダクト断面積/ウーファーの実行振動面積
  =(36/(π×4^2))×100
  =71.62・・・ <− 72[%]

  第2ダクトの断面積/ウーファーの実行振動面積
  =(33/50.265)×100
  =65.65・・・ <− 66[%]

 「DRW−3」と同様に,、音圧出力を稼ぐために上限
 の70[%]近くを設計値に取っています。第2ダクト
 の数値がやや小さいのは、第1ダクトより少し小さく
 したかったのが理由だと思われます。


(3) ダクトの共振周波数(かなりの融通性あり)は、
  T.fd2 < fco < fd1  [Hz]
  U.fd1 は fd2 の 2〜3倍ぐらい 

  「T.」、fd2=47 < f0c=68 < fd1=154

  「U.」、fd1/fd2=154/47=3.27・・・
           =3.3倍

  です。U.が3倍強になっています。再生周波数の
  上限をメインスピーカーとクロスする点まで上げて
  いると思われます。

  ウーファー部の上限のクロスオーバー値:fwは、
  fd1の√(2)倍辺りだと思いますので

  154×√(2)=217.78・・・
  したがって fw=約218[Hz]−−−(T)

  メイン・ミニスピーカーのクロスオーバー値はまず
  最初に「SS−2」の「FE103」のネットワークより
  計算してみます。

  「FE103(16[Ω])」の並列に20[Ω]の抵抗が
  接続されているので、並列のインピーダンス:Zを
  計算すると

  1/((20+16)/(20×16))=8.88・・・
  したがって Z=約9[Ω]

  コンデンサーのキャパシタンス:C の合計は、

  220/2+2.2+4.7=116.9
  したがって C=約117[μF]

  よってミニスピーカー下限のクロスオーバー値:fcは、
  ハイパスフィルターの計算式
  C =159000/(Z*f)より
  f =159000/(C*Z)
  fc=159000/(117*9)=150.99・・・

  したがって fc=約151[Hz]−−−(U)

  次に、エンクロージャーによる低域特性よりクロス
  オーバー値を計算します。

  メインのミニスピーカーは、密閉型で内容積は約5[L]
  の密閉箱です。Q0c=約0.5でf0c=約115[Hz]
  になります。

  この場合、f0cの2倍をクロスオーバー値と考えると
  fc=115*2=230[Hz]−−−−(V)

  よって、

  サブ(スーパー)ウーファー (T)fw=218[Hz]
  メイン・ミニスピーカー  (V)fc=230[Hz]
  
  より、サブウーファー部とメイン・ミニスピーカー
  のクロスオーバー値に近づけるために、fd1がfd2
  の3.3倍に設定されたものと推測できます。

  (U)fc=151[Hz]のネットワークのフィルターは、
  ・低域で振動板がバタつかなくさせる。
  ・耐入力を上げる。
  ・フィルターの効きを良くするようにf0付近の
   インピーダンスを低くするために20[Ω]の抵抗
   を並列に接続する。
  ・20[Ω]の抵抗は、メインスピーカーの出力レベル
   も下げる。
  を目的としていると思われます。

(4) 再生帯域の下限は、一応fd2の0.7倍ぐらいにする。
  より厳密には、f0cの1/2がfd2×0.7倍にする。
 
  fd2×0.7=47.47×0.7=約33[Hz]

  より厳密には、f0c=68 × 1/2=34[Hz]

  これにより、長岡鉄男氏は、33[Hz]辺りまで、
  周波数特性を下限に伸ばすことを狙っていたことが
  分かります。